研究室配属の希望を提出した。
私が所属する 理工学部 物質生命理工学科 は、研究室(他の学部でいうゼミ)配属が、大学4年の開始時である。
そのため、私にとって研究室配属希望調査は、大学生活最後の一年が近づいている事を最も印象的に突きつけたイベントだった。
上智大学サッカー部での集大成であるこの1年で、私は何を目指すのか。
提出を終えた私は、これについて自問自答を繰り返した。そこで行き着いた1つの抽象的な答えがコレである。
「“日なた”で活躍する存在になること」
簡単に言ってしまえば、サッカーでチームに貢献することだ。
前提として、私はチームにとって重要な存在になりたいという欲求が強い。小さい頃から読んでいたスポーツ漫画ではチームメイトそれぞれにスポットライトが当てられていて、そのキャラがいたからこそ掴めた勝利が描かれる度に、私はそのような世界に強い憧れを抱く。
しかし、そんな簡単に勝利を得られるような世界ではないことは、小さいながらに理解はしていた。そのため、勝利の代わりにチームの一員としてスポットライトが当てられることにいつしか同じような魅力を感じるようになった。
そこから導き出した認められ方の一つが、チームの仕事を率先して引き受けて陰で貢献することだった。
常にこの意識を持って行動してきたため、正直言うと陰でチームを支える意識はこの部の中でも高いと胸を張れる。
1年の初期から、例えば練習や試合に必要なチームの荷物の管理や練習道具の準備、片付け、最近では部室の大掃除で出た大量のゴミの処理まで、他の人がなかなか引き受けない仕事も積極的に引き受けてきた。
そのような姿を周りも見てくれていたためか、部の仕事で私に助けを求めてくれることもある。そういった面では他の部員に認められている実感はある。
しかし、チームの一員として胸を張れるかと聞かれると、まだ「イエス」とは答えられない。
私自身、チームで重要な存在だと認められていないのである。
トップチームに所属していなかった私は、2年前の昇格を逃した瞬間に、今までの勝利が報われずに悔しいという感情があまり強くなかった。昨年の昇格が決定した瞬間に、心の奥底から湧き出る喜びや達成感は大きくなかった。
どちらかというと、悲しみや憧れなど、応援する立場で生まれる感情の方が強かった。
Bチームで公式戦に何試合か出場させてもらっていたが、そこでは一勝もできなかった。そこで何か結果を得られていれば、この時の心境も変わっていたかもしれない。引退してしまった4年生、Bチームの監督を務めてくださった典さん、勝利を手にすることができず申し訳ありませんでした。
何が言いたいかというと、今までで上智大学サッカー部が結果を残してきた過程に自分がいないと感じた、ということである。
そのため、サッカーで高みを目指しているチームの一員として結果を出したという実感が得られなかった。
そのことが何よりも悔しかった。サッカーのチームの一員として同じ感情を共有したかった。
私たちはどんな活動を行っていたとしても、サッカー部であることに変わりはない。私たちの “日なた” は、常にサッカーなのである。
陰の貢献だけで、チームの一員として認められることに満足するつもりは全くない。
陰での貢献と同じように、試合でも貢献できる部員になるという意欲こそ、現状の自分が持つべき姿勢であり、私がサッカーを部活として続けている意味だと思う。
たとえ試合に出場できない期間が続いたとしても、チームの戦力に数えられるように、自分の強みをチームに活かせるように、どんな形であれチームのサッカーに影響を与えられるように常に努力していきたい。
そして、今シーズンは私が背番号1を背負う。
これは隈元隆次 前々主将、羽藤宏太朗 前主将が背負っていた重みのある番号だ。
このお二方は、間違いなくチームの中心であり、私たちのサッカーに大きな影響を与えてくれた存在であった。
そんな偉大な先輩方に負けないように、チームにとって大きな存在になってみせる。
そして引退するときには、チームの一員であったと、自分の納得がいく形で胸を張ってみせる。
これが私の掲げるラストシーズンの目標。
次回の部員ブログ担当は、副主将 羽鳥 颯 です。最近は後輩への絡み方が雑になっているように感じますが、彼の存在に感謝している後輩も多いはず。そんな彼ですが、部の成長に貪欲で挑戦心に溢れた熱い男です。
お楽しみに!