マネージャーとは、学校の運動部などで、選手の世話をする人。
以前、インターネットでマネージャーの定義を調べたときに出てきたものだ。
そして一般的にも同様の認識をしている人が非常に多いと感じる。
実際にマネージャーをしてきた身として、この定義に疑問を抱いた。
これまで私は、プレイヤーのお世話係をしてきたつもりはない。この定義だと、なんとなくマネージャーがプレイヤーよりも下の立場にいる感じがしたし、世間的にそう思われているのかと感じると不快に思った。
そこで、引退ブログに適したテーマかは分からないが、自分が思うマネージャーの定義を示したいと思う。
「マネージャーなんて誰でもできる。」
恥ずかしながら、私は最近までこう思っていた。
部活中にする仕事と言えば、テーピング、水汲み、タイムマネジメント、メニューの把握と必要な物の準備、試合の時間の管理、怪我人の対応等である。
テーピングなど、中には覚えないといけないこともあるが、やる気があれば正直誰でもできるものばかりである。
しかし、マネージャーを強く希望して入部する人は毎年数人しかいない。
なぜか?
冒頭でも述べたようにマネージャーは選手のお世話係というイメージが強く、言われたことや頼まれたことをただやるだけの人という印象が強いから。もしくは、既に何人ものマネージャーが所属しているからこそ、自分がわざわざ入部しなくていいと感じるから。
私は、この部活に入部して2度辞めたいと感じたことがある。
その時、正直私以外に他にもマネージャーがいるから辞めても組織にとって何ら問題はないと感じていたし、他のマネージャーと同じようにモチベーション高く続けられないと感じたのが主な理由だった。
結局、同期マネージャーやプレイヤーに相談し、彼らの助言を受けて続けることを決心した。そして、周囲に助けられながら引退まで続けてこられたと思っている。
上智大学体育会サッカー部のマネージャーは、マネージャーとしての基本的な仕事をこなすことが前提としてあるが、それ以外の場面では自由度が高く何でもできる。
私自身、広報活動、各種公式SNSの管理、画像やポスターなどのデザイン等これまで興味があってやりたいと思っていたことに携わってこられたし、他ではできないような貴重な経験ができたと感じている。辞めなくて本当に良かった。
11月10日(水)、リーグ戦のラストベンチに同期マネージャーの英里と入り、勝利で終わった。無敗でリーグ戦を締め括れて最高の景色を見せてくれたプレイヤーの皆には感謝してもしきれないくらい、最高の引退の景色を見られたと思っている。
正直その日に引退は実感できなかったが、自然と涙がこぼれてしまった。
これまで頑張ってきたことやみんなに対する思いなどが溢れて、不思議な感覚になったことを覚えている。
「マネージャーなんて誰でもできる。」
今では、そう思わない。
あくまでも私の意見だが、マネージャーを続けていくには主に5つのスキルが必要だと思った。
それは、
「強い責任感」「負けず嫌い精神」「柔軟な対応力」「向上心」「継続力」
どれも単純なものだと思われてしまうかもしれないが、全てを満遍なく兼ね備えている人はなかなかいないだろう。私自身も、自信を持ってこれら全てのスキルを持ち合わせるとは言えず、まだまだ未熟な点が多いと感じている。
マネージャーの素質は誰にでもあると思うし、そういった意味では確かに誰にでも務まる役職かもしれない。しかし、興味があっても行動に移せない人は沢山いる。実際に入部する人はその中でもほんの一握りであり、その時点でスキルや素質は十分にあると思う。
そのため、今上智大学体育会サッカー部に所属しているマネージャーのみんなには入部してくれて感謝しているし、後輩でも頼れる子が沢山いると感じている。
プレイヤーの皆さんには、マネージャーがいて当たり前だと思わないでほしい。
プレイヤーからの言葉でマネージャーは自信を持てるし、それが直接やりがいに繋がることもある。私も部活を辞めようか迷っていた時、プレイヤーに必要とされたり感謝されたりした経験があったから、辞めずにここまでやってこられたと思っている。
部活中は特に、プレイヤーのためを第一に考えながらマネージャー業務をしているからこそ、良い意味でも悪い意味でもプレイヤーからの言葉は記憶に残りやすい。
マイナスなことがあった場合に伝えてあげるのももちろん大切なことだが、それ以上にプラスに思ったことがあれば積極的に伝えてほしい。
プレイヤーとマネージャーが良い関係を築くことで、チームにとってもプラスの影響を与えられると思うので、もっともっと自分たちで良いチームにしていってほしい。
本題に戻らせて頂くが、私が思うマネージャーの定義は以下のものである。
「勝利や目標に向かって頑張る選手やチームがプレーしやすい環境を整え、プレーではない角度からチームに貢献できる存在。」
マネージャーは学生の間にしかできない貴重な経験であり、多くのことを学べる。
人それぞれ異なる長所があり、違う貢献の仕方ができるため、可能性が無限に広がっている役職である。
そんな魅力溢れるマネージャーを高校、大学を通して続けてこられたことは私の財産である。
素晴らしい仲間にも出会えて、上智大学体育会サッカー部のマネージャーを選んで本当に良かったと改めて感じた。
マネージャーを選手のお世話係だと思っていた人たちが、私のブログを読んで考えを改めるきっかけとなり、マネージャーに興味を持っていただけたら嬉しく思う。
最後に、この場を借りて今まで出会った全ての人々、支えてくれた両親や家族、友人に感謝の言葉を伝えさせていただきます。
これからは、上智大学体育会サッカー部のOGとして応援しています。
4年間大変お世話になりました!
また、最後まで読んで頂きありがとうございました。
次は、フィールドに響く笛の音が美しく、優秀な頼れる我らの審判員。部活で会えた日はラッキーなレアキャラ、川村 航希です!
是非ご覧ください!