小熊 崚介(2年)「二番手」

こんにちは、あるいはこんばんは。
純愛を求める熱きファイターの直井 慧真から紹介を与りました、外国語学部イスパニア語学科2年、GKの小熊 崚介です。

さて、先日私の敬愛するお笑い芸人であるハライチ・岩井勇気さんのエッセイ本第二弾が発売されたわけですが、彼はお笑いの才能だけでなく文才も凄いのです。読んでる時はとてもすらすら軽く読めるのに、それでいてしっかりと読みごたえがあり、読んだ後には必ず笑わせられたり考えさせられたりします。例えるならフリットです。衣は軽く、サクサクっと食べられるのに、それでいて満足感があり腹に溜まる。

このような文章を目指しているのですが、私の文章は重くて長いとよく言われます。例えるなら、うーん、味噌カツ丼ですね。カツでさえ重いのにそれに味噌なんかかけちゃって、挙句の果てにご飯の上に乗せちゃってます。学生の味方であるようなカロリーの暴力をどうしたらオシャレ前菜に変化させられるのか試行錯誤していますが、なかなかうまくいかないまま2度目の部員ブログを迎えてしまいました。

またしても前置きが長いと注意されそうなので、そろそろ本題に入ろうと思います。さて2度目の部員ブログ、さらにテーマは自由ということなので、自分としては今しか書けないこと、この2年の10月に思っていることをつらつらと書いていきたいと思います。

今季、今のところリーグ戦全試合ベンチ入り。昨シーズンはベンチには1試合も入れず、リーグ戦にはビデオを撮りながらリアクションの声を吹き込むことぐらいしか関わることができなかった。そういう意味では、去年と比べて進歩しているとも言える。しかしながら1秒たりともピッチに立つことはできていない。去年の序列が自分より上であったGKは卒業した。つまり、そのままスライド式に二番手になっただけであって、序列を覆すことはできていない。こう見ると現状維持しているようにも見える。目標が都リーグでクリーンシートを達成するということだっただけに今のところは満足のいくシーズンと胸を張っては言えない。

ただ、このような状況というのは何となくシーズン前に想像ができていた。羽藤 宏太朗くんは私がチームメイトとして、ライバルとして競ったことのあるGKの中で間違いなく一番上手いし、キャプテンを務め、チームの精神的支柱でもある。仮に自分が監督で、私の方が調子が良く、ここまで圧倒的なパフォーマンスを見せている羽藤くんがもし調子を崩したとしてもスタメンを代えることはないであろう。サッカーを伊達に10数年やっていれば想像に難くない。

このような現状に対して、もちろん悔しいは悔しい。しかし納得はいってるし、消化ができないほどでもない。100%羽藤くんを、チームをサポートできる、というのが今の正直な気持ちだ。諦めている、ともちょっと違うけど、なんというか、ポジティブな諦めとでも言えばいいだろうか。

そんなわけで今季は最高のベンチワーカー、ムードメーカーになろうと意気込んで始まったシーズンだった。アップ中から盛り上げて、シュート練習ではすべてのシュートにリアクションすること、試合が始まったら中の選手たちより大きく、たくさん声を出すこと。いいプレーには全力で褒めること。ゴールは全力で喜ぶこと。ほかのベンチの選手たちと常にコミュニケーションをとること。途中出場する選手を絶対にグータッチで送り出すこと。代わった選手を労うこと。マネージャーの時間の声が聞こえてなさそうだったら自分が補助すること。全部簡単で誰にでもできることだけど、ここまで徹底してやり遂げられたような気がする。出場してもないのに試合後に声を枯らしたり、試合のビデオを見直すとピッチにいないのに一番私の声が入っていたりすると自分の中では勲章のように思えて誇らしい。

高校時代はこんな選手ではなかった。自分が出場していない試合なんてすべて負けてしまえと思っていたし、一番酷い時には失点さえ少し嬉しかった(本当にすみませんでした)。「置かれた場所で咲きなさい」という言葉があるように、現状の立場でベストを目指せるようになったのか、単にギラギラさが足りなくなったのか、良い意味でも悪い意味でも「大人」になったんだと思う。

でもやっぱり根底にはこのチームで勝ちたいという思いの強さなんだという結論に至った。上智大学体育会サッカー部には常に練習に来てくれる大人というような外部の人がいない。だからこそ手作り感というか、自分たちでチームを「作っている」のが明け透けに見える環境である。なので、当然良い意味でも悪い意味でも各々の思いや意志というものをビシビシ感じる。今のチームが持っている「熱感」は自分が今まで属したどのチームよりもあるし、この「熱感」というのはやっぱりサークルに入って遊ぶのが主流の大学生活の中で、体育会を選ぶ変態だからこそ持っているもののような気がする。だからこそこの熱に浮かされて、自分が出場したいという気持ちよりこのチームで勝ちたいという思いの方が強くなっているんだと思う。そして声を出すことによってこの変態たちが欲してやまない勝利に0.000001%でも貢献できているのなら自分にとって本当に嬉しいし、ベンチワーカー冥利に尽きると思う。

最後に、私は体育会の人たちがこぞって使う、「4年生のために」「4年生を笑って引退させたい」という言葉が嫌いだ。絶対嘘っぱちだから。自分が好きでサッカーやってるくせに、なにを最後になって、って思っていたし、今でもこの言葉は自分の体裁をよくするための言葉だと思っていた。「4年生のことめっちゃ感謝してる俺かっけー」的な。でも今ならそう言いたくなる気持ちもちょっぴり分かる。ピッチ内外での色んな試み、練習メニュー決め、疲労度や試合数などを考慮したメンバー決めなど本当に大変だと思うし、2年後自分が今の4年生のように上手くできるような気がしない。特に羽藤くんはチームの舵取りはもちろん、GKユニットの舵取りもしてくれた。カテゴリーで別れるときには毎日毎日2人で練習してクソお世話になった。粗相ランの時、ブチギレても寛大な心で許してくれた(その節は本当にすみませんでした)。そして中村 風人くんにも個人的にピッチ内外で本当にお世話になった。こんなクソ生意気後輩をご飯に連れてってくださって、話も聞いてくれて親身になってアドバイスをくれた。僕にとって大学生活で初めてできた最高の「アニキ」だった。

でも4年生のために戦うというのは嘘くさいし、私らしくない気がするので、あくまで「『大好きな4年生を笑顔で引退させる』という『自分の願望』のためにすべてを尽くす」ということにしておきたい。

リーグ戦、Iリーグ、サタデーリーグ、残りの試合全部絶対に勝とう。勝利に飢えてるこの熱は勝利しないと冷めない。全部勝とう。全員で笑おう。

おそらくこのチームのマッチレポート担当がこんな文章で大丈夫か、と皆さんを心配にさせてしまうような、駄文を長々と失礼しました。

次は同期で一番長い時間を過ごしているプレイボーイ、野田 祐成くんの文章です。お楽しみに!